琵琶湖の食物連鎖基盤 栄養塩と植物プランクトン
琵琶湖の水生生物は食物連鎖でつながっています。その頂点は鳥や人(四次消費者)、次いで大型魚(三次消費者)、小型魚(二次消費者)、昆虫・貝・動物プランクトン(一次消費者)と続き、植物プランクトン・水草(生産者)が底辺となっています。
植物プランクトンが増えるためには、最適な水温・塩分・光の量と「栄養塩」が必要です。
「栄養塩」は窒素やリンなどを指し、自然界では枯葉や動物のフンから作られますが、人工的な家庭や工場の排水、農業肥料も栄養塩となります。
栄養塩が琵琶湖に多く流れ込むと、植物プランクトンが大量増殖し「アオコ」「淡水赤潮」の発生原因になるそうです。反対に少なくても、食物連鎖に必要な植物プランクトンが足りず、生態系を崩す原因になります。栄養塩と琵琶湖の関係は、人間でいう食事と体調の関係に似ているそうです。
(出典:滋賀県-平成29年度 琵琶湖における新たな水質管理のあり方懇話会「物質循環からみた琵琶湖の健全性評価手法について」資料2)
琵琶湖環境科学研究センターが調査した琵琶湖全体の窒素やリンの年間分布状況は、滋賀県「琵琶湖水質の平面分布」(平成30年度)でまとめられており、8月・9月の南湖で窒素・リンが特に多くなっています。滋賀県「今日の琵琶湖」によるとアオコの発生も例年8月から9月末に発生しているようで、両者の関係性が見て取れます。

京都の海のまちに生まれ、大学で千葉へ。一度は都内で就職するも、結婚を機に滋賀に住むことになりました。現在は彦根で一男一女を育児中。ママコーラス副代表など、新しいことにチャレンジしています。
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当法人役員のエッセイが日本経済新聞全国版に掲載されました