世界的にも珍しい湖の有人島「沖島」
滋賀県近江八幡の堀切新港・長命寺港から約10分の船旅で着く有人島「沖島」。湖沼に浮かぶ有人島は世界的にも珍しく、公益社団法人びわこビジターズビューロー「沖島」によると周囲約6.8㎞、面積約1.53k㎡の島には、約300人が生活しているそうです。
沖島の歴史
沖島町離島振興推進協議会 によると、島は6万年前に近江盆地の陥没によって出現し、奈良時代に近江の国守・藤原不比等(藤原鎌足の子)が現在の氏神奥津島神社を建立。その頃は無人島で、琵琶湖航行の安全を祈願する「神の島」として崇拝されていたそうです。
人が住み始めたのは平安時代末期。1156年(保元元年)の保元の乱・1159年(平治元年)の平治の乱 で逃げ延びた落武者7人が島に漂着し開拓、定住したと伝わっています。島の東南部の山には石積みの水田や段々畑の跡が残っているそうです。
室町時代になると、足利義政が島に見張所(番所山)を設け、島民に船舶監視が命じられたそうです。戦国時代には織田信長が島民に専用漁場を与え、以来300年以上にわたり引き継がれています。
現在の中心産業は漁業ですが、江戸時代からコンクリートが普及する1960年代頃までは、火成岩 の一種・石英斑岩(せきえいはんがん)の採掘場として石材産業が行われていたそうです。
このような沖島の歴史を紹介する資料館がありましたが、2019年7月末で建物の老朽化のために閉館となりました。資料は再開にむけて保管されているそうです。
沖島漁業協同組合の取組み
沖島漁港にある沖島漁業協同組合は、鮒ずし作り講習会や地曳網体験、遊覧船「もんてクルーズ」の運航を行っています。各催しは沖島漁業協同組合のイベントページで開催日時や申込先が紹介されています。
同組合では、沖島で水揚げされた琵琶湖産天然バスを使った「沖島よそものコロッケ」を地元のNPOや飲食店などの協力を得て商品化、2010年12月の第5回企業&NPO協働アイデアコンテストに出展し、最優秀賞を受賞したほか、滋賀B級グルメバトルでも好評だったそうです。販売店は沖島漁業組合「よそものコロッケ」で紹介されています。
素朴な沖島の生活
島内には小学校や保育園、郵便局がありますが、道が細く自家用車、信号がありません。移動には三輪の自転車がよく使われるため「三輪自転車の島」と呼ばれることも。雨除けのためにサドルに缶を載せ、駐輪するのが沖島スタイルだそうです。
また、写真家・岩合光昭氏の写真集「島の猫」に沖島の猫が載っているそうです。

京都の海のまちに生まれ、大学で千葉へ。一度は都内で就職するも、結婚を機に滋賀に住むことになりました。現在は彦根で一男一女を育児中。ママコーラス副代表など、新しいことにチャレンジしています。
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当法人役員のエッセイが日本経済新聞全国版に掲載されました