琵琶湖の侵略的外来水生植物への対策
琵琶湖の環境を侵すのは、外来魚だけではありません。一見「キレイ」と思わせる水生植物でも、その存在が水質悪化や魚類などの生育に影響を及ぼすことがあるそうです。
2014年6月に外来生物法の特定外来生物に指定された「オオバナミズキンバイ」は、2009年12月に赤野井湾で生育が確認されていたそうです。確認当初は約142㎡だったものが約3年後の2012年12月には約22,435 ㎡と160倍にも増殖し、南湖の大部分を覆うほどになったそうです。そのころから、地域住民や自治体が中心となって防除がおこなわれ、滋賀県もその取り組みに対して機材の貸出や勉強会の開催等で支援するほか、2013年にはは国の緊急雇用創出特別推進事業を活用し、その調査と駆除を行ったそうです。
また、水草であるにも関わらず、乾燥にも強いという性質を持つ「ナガエツルノゲイトウ」は、アクアリウム等観賞用として持ち込まれたものが、野生化したものと考えられています。2005年6月に外来生物法の特定外来生物に指定され、2007年度から「オオバナミズキンバイ 」と同様、本格的に防除等の対策がとられているそうです。
その他、水路,河川など水辺に生育する「ミズヒマワリ」も観賞用としてもちこまれたものが野生化しているそうです。
このような侵略的外来水生植物は、駆除の際に少しでも残っているとそこから再生してしまうので、慎重な作業が必要とされ、人の手で駆除作業が行われているそうです。その生態についても、まだ専門的な研究がなされていないそうです。そこで、NPO団体や漁協をはじめ、関係市など19団体で構成されている「琵琶湖外来水生植物対策協議会」では、生態の解明や、効率的な駆除方法の研究とそれに基づく駆除等を行い、琵琶湖の環境回復や生物の生育の再生をめざしているそうです。
また、NPO法人国際ボランティア学生協会も2013年よりオオバナミズキンバイの除去活動に取り組み、滋賀県庁、関係市町村などで構成される琵琶湖外来水生植物対策協議会の構成員として活動。
2020年2月3日に開催された地球研地域連携セミナー~びわ湖の水草 市民がはじめる環境自治~では、「琵琶湖における特定外来種除去の取り組みについて」をテーマに、オオバナミズキンバイの特徴や、琵琶湖や鴨川での関係者と連携した除去活動、除去後の循環利用に向けた課題などについても発表しています。
関連URL:
滋賀県-「琵琶湖外来水生植物対策協議会の設立趣旨について」 「侵略的外来水生植物(オオバナミズキンバイ・ナガエツルノゲイトウなど)への対策」
国立研究開発法人 国立環境研究所 侵入生物データベース-「ルドウィギア・グランディフロラ」 「ナガエツルノゲイトウ」 「ミズヒマワリ」
京都の海のまちに生まれ、大学で千葉へ。一度は都内で就職するも、結婚を機に滋賀に住むことになりました。現在は彦根で一男一女を育児中。ママコーラス副代表など、新しいことにチャレンジしています。
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