カワウの生息地に変化 生息数減少するも生息域が拡大 竹生島だけでなく内陸部にも
日本最大の湖・琵琶湖には多くの魚が生息しています。そのため、魚を餌とする鳥も多く集まってきます。
その鳥たちのなかの一種「カワウ」は、昔から琵琶湖に生息する鳥で、戦後に生息記録が途絶えたそうですが、1979年にびわ町(現在は長浜市)の竹生島で生息が再確認されました。そこから生息数は増え続け、2004年~2009年の春期に行われた生息数調査では3~4万羽が確認されたそうです。
カワウは営巣するため、枝を折り葉を落とすことや多量の糞による肥料過多になることから、木々や下草の成長を妨げることもあり、竹生島ではその影響が深刻な状況に。また、琵琶湖では駆除の対象となっている外来種・ブラックバスやブルーギルを捕食する一方で、琵琶湖のアユも餌とするため、こちらも問題となっています。そのため2004年以降、銃器による捕獲駆除や花火や防鳥糸を用いた追い払い等が行われ、2014年には春期・秋期ともに1万羽を切るところまで減少しているそうです。
引用元:滋賀県HP https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/suisan/18685.html
その営巣地・ねぐらの場所は、2006年には竹生島(長浜市)・伊崎半島(近江八幡市)が生息数全体の99.8%を占めていたそうですが、2017年には33.7%に減少。近隣エリアを含めても39.5%と減少しているため、竹生島には緑がもどりつつあると公表されているそうです。
しかし、安曇川・愛知川・野洲川といった主要河川における生息が確認されており、年々生息域が分散化しているそうです。
文化財や娯楽地でも巣やねぐらが確認されていることや、糞や悪臭といった生活環境被害もあるということですが、人家に近いため銃器以外の駆除方法や追い払いを行っていくそうです。
参考URL:滋賀県「カワウ計画概要(確定版)」「琵琶湖の保全及び再生の状況」「カワウ問題」
関連URL:京都新聞:カワウ最大営巣地が琵琶湖の島から川に 駆除で進む分散化、被害に広がりも、滋賀県(2020年1月5日)

京都の海のまちに生まれ、大学で千葉へ。一度は都内で就職するも、結婚を機に滋賀に住むことになりました。現在は彦根で一男一女を育児中。ママコーラス副代表など、新しいことにチャレンジしています。
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