琵琶湖の伝統漁法「魞漁(えりりょう)」
冬の琵琶湖湖面から突き出ているたくさんの棒。これは伝統漁法「魞漁(えりりょう)」による仕掛けの一部です。障害物にぶつかるとそれに沿って泳ぐ魚の習性を利用し、湖岸から沖に向かって矢印型に網を設置。「つぼ」と呼ばれる行き止まりに誘導して捕まえます。
必要な量だけを捕獲できる持続可能な漁法で、琵琶湖では1000年以上前の伝来から今日まで続いており、大津市堅田の魞漁は平成18年に水産庁「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれています。
冬に魞漁で獲れるヒウオ(氷魚)はアユの稚魚。琵琶湖で獲れたヒウオの一部はアユ苗として全国へ送られ河川に放流されるそうです。
魞漁には2種類あり、網目の大きな「荒目魞」ではフナやナマズなどの大きな魚が、網目の細かい「細目魞」ではコアユやエビなどの小さな魚が獲れるそうです。
以前の仕掛けは竹の杭などで作られていましたが、現在は長さ調節できる強化繊維プラスチックの杭が開発されるなど、効率化も進んだそうです。
昔は2月ごろに魞を設置、7月末ごろまで漁をし、アユの産卵期である秋には仕掛けを外すため、春から夏の風物詩だったそうですが、現在では杭や網の材質が改良されたこともあり11月ごろから漁が行われ、琵琶湖の冬の風景として親しまれています。
琵琶湖を戻す会では、2003年から毎年「エリ漁体験」を行っており、2020年7月19日も「エリ漁&地引き網体験」の開催を予定しているようです。守山漁協協力のもと開催され、毎年多くの親子が参加しているそうです。
また、湖魚の佃煮屋BIWAKO DAUGHTERS(ビワコドーターズ)でも 2月中旬 〜 7月末のみ、魞漁の親子体験を受け入れています。早朝からの漁体験で宿泊付きプランなどもあるそうです。詳細や申し込みはBIWAKO DAUGHTERSホームページでご確認ください。

京都の海のまちに生まれ、大学で千葉へ。一度は都内で就職するも、結婚を機に滋賀に住むことになりました。現在は彦根で一男一女を育児中。ママコーラス副代表など、新しいことにチャレンジしています。
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当法人役員のエッセイが日本経済新聞全国版に掲載されました