外来魚対策で捕獲・駆除された外来魚はどうなる?
1985年度から行われている外来魚対策。現在は、オオクチバス、コクチバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュの4種類が駆除対象となっています。このうち、琵琶湖で繁殖が確認されているのは、オオクチバスとブルーギル。コクチバスは琵琶湖以外の河川やダムで、チャネルキャットフィッシュは洗堰よりも下流の瀬田川で幼魚が確認されているそうです。外来魚生息数調査では、過去10年以上にわたって約8割がブルーギル、残り約2割がオオクチバスであると推定されたと公表されています。
引用先URL:滋賀県―「外来魚駆除対策事業」
この駆除対象4種に関しては、許可なく密放流することが禁止されている(滋賀県漁業調整規則)だけでなく、釣り上げた際はリリースすることも禁止されています(滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例)。一般の釣り客等が捕獲した駆除対象の外来魚は、外来魚回収BOXに集められ、県によって定期的に回収・調査されています。また、漁業者が捕獲した駆除対象の外来魚は、県漁協が主体となって毎日回収しているそうです。それらの駆除量は、2007年の543トンをピークに減少傾向にあるようで、2016年には216トンが捕獲されたそうです。
では、回収された大量の外来魚はどうなっているのでしょう。県漁協が回収した外来魚は、漁協の冷凍施設に一旦保管。一定量になると、水産加工会社へ販売され、全て魚類養殖飼料用の魚粉にされるそうです。その収益は回収処理着事業費に充当されるとのこと。食材利用としてはごく一部のオオクチバスが直接事業者へ販売されている程度で、漁協での加工が現在はされていないそうです。
減らしていかないといけない外来魚でも命ある生き物。有効に活用され無駄にはされていないようです。
関連URL:滋賀県議会―農政水産部水産課―琵琶湖環境対策特別委員会資料 資料2「外来魚対策について」(2017年8月4日)

京都の海のまちに生まれ、大学で千葉へ。一度は都内で就職するも、結婚を機に滋賀に住むことになりました。現在は彦根で一男一女を育児中。ママコーラス副代表など、新しいことにチャレンジしています。
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当法人役員のエッセイが日本経済新聞全国版に掲載されました